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特集What's ゲノム編集?

ゲノム編集とは、多数の遺伝子の中から、狙ったものだけを正確に操作する技術のこと。「(1)DNAを切り取るための酵素を細胞に注入」 「(2)標的の遺伝子を見つけ出し、破壊する」「(3)破壊した遺伝子の一部を置き換えたり、別の遺伝子を導入したりすることでゲノムを改変する」という流れが、基本的な方法です。
従来の遺伝子組み換え技術でもそうした操作は可能でしたが、従来の方法では、狙った遺伝子だけにきちんと作用する確率の低さが課題でした。ゲノム編集では、これまでの数百倍から数千倍という高い頻度で操作できるため、実験効率が飛躍的に向上。農作物の品種改良をはじめ、さまざまな分野に活用されています。
本特集では、2017年3月に、他大学と共に進めてきた研究論文が英科学誌「Nature Biotechnology」電子版に掲載された農学部の寺田理枝教授を迎え、ゲノム編集に関する基本を学習。加えて、消費者の注目が高い「遺伝子組み換え農作物」を取り巻く環境についても紹介します。

農学部 生物資源学科

寺田 理枝 教授

Rie Terada

東京都生まれ。1979年、筑波大学第二学群生物学類卒。1982~1994年、三菱化成株式会社?研究員、1990年、農学博士(東北大学)、1994~1996年、スイス連邦工科大学植物学科?博士研究員。基礎生物学研究所?助教を経て2010年4月から現職。所属学会は、日本育種学会、分子生物学会、植物生理学会。

ゲノムとは、DNAのすべての遺伝情報

DNAとは、生物の設計図のようなもの。細胞の核の中の染色体にあり、4種類の塩基で構成されています。DNAは、はしごをひねったような形(二重らせん構造)をしていて、染色体の中に折りたたまれて入っています。
ゲノムとは、DNAのすべての遺伝情報のこと。人間に例えると、身体的特徴や、特定の病気へのかかりやすさなどが遺伝情報にあたります。実はDNAのすべてに遺伝情報があるわけではなく、親から子に伝わる遺伝情報を持つDNAの特定の部分を、遺伝子と呼びます。

ゲノム編集の可能性はあらゆる分野に

[品種改良]

  • 食べ物となる生物の、欠点を補ったり栄養価を高めたりする
育てやすい養殖魚の開発 日持ちする野菜の開発

[産業利用]

  • 油をつくる藻を改良し、生産量を増大させる(バイオ燃料)
  • カイコの体内で医薬品や化粧品の原料を生産する(生物工場)

[医療研究]

  • ゲノム編集によって実験用マウスに特定の病気を発症させ、新しい治療法を開発する
  • 患者の細胞(iPS細胞など)を使い、難病の原因遺伝子を修復する

「交配」「遺伝子組み換え」「ゲノム編集」

作物の品種改良で違いを解説!!

英科学誌「Nature Biotechnology」電子版に掲載!

DNAを切らずに書き換える新たなゲノム編集技術を作物に応用する研究

寺田理枝教授の研究を含む論文が、名城大学、筑波大学、神戸大学の連名で発表されました。

現在、ゲノム編集で一般的な方法は「人工ヌクレアーゼ」と呼ばれる酵素を利用した技術です。人工ヌクレアーゼは、DNAを切断するハサミのような役割を担っていて、DNAに切り目を入れて破壊し、その箇所に外部から別の遺伝子を導入します。
2016年に開発された「Target-AID」という名の酵素(ゲノム編集ツール)では、DNAを切断せず書き換えることができるので、従来の方法の課題であった細胞の機能障害等の懸念をなくすとともに、狙い通りのDNA改変を可能にしています。
本研究では、Target-AIDを植物用に最適化し、農作物の品種改良への応用可能性について調査しました。調査対象とした作物は、実験用品種のイネとトマト。その結果、除草剤に耐性を持つイネと、受粉をせずとも実をつけるトマトを作ることに成功しました。どちらの遺伝子にも予想外の変異は見られず、狙った遺伝子のみを書き換えることに成功しています。
今後は、飼料用米や大玉トマト品種など、実用に近い品種改良を計画しています。

これまでの一般的なゲノム編集技術の解説図
今回の品種改良に使用した新たなゲノム編集技術の解説図